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期日

人の世は 見紛うばかりに 些かに

 

恥も恥なら 近世と

 

世の世と 氣の日と

 

我 信ぜらるる 言葉の端々に

 

並びゆく数々の代償や 普遍と

 

対称の中に観を読まむ

 

 

桟橋

 

夕暮れ時、芥子、躑蠋、石楠花などが咲き乱れ

 

靨の間から花弁が落ちてきた

 

「あれまぁ」と、天生院女史がまどろむ

 

庭先の怒りん坊、カメムシの幼体があちらこちらに犇き

 

堕胎した幼児が池の礎石となっている

 

「こちらは白癬です」

 

輪転機の隙間から聞こえる声に苛まれ

 

足先を北に向けた。

鹿鳴

虚状は燦々たる原風景に煌めき、その独白的な紙面を賑わしていた。
 
あるとき、男は蓮華のボタンを身に纏い、歩幅を揃えて歩き始めた。
 
聴診器を当てられ、迫真の演技でもなく、獨逸人は懇々と蟄居し始めている。
駱駝の言葉でも、鸚鵡の言葉でもなく、
ある均一な空間からその音は鳴っていた。